続く医薬品の供給不足

 いつもドレミ調剤薬局をご愛顧いただき、ありがとうございます

 今回は『お薬不足問題』についてお話したいと思います 。

 

 近年「医薬品の不足問題」が深刻化しています。現在は特に「咳止め薬」が不足しており、病院や薬局で咳止めの処方薬がもらえなかったという方もおられるのではないでしょうか。

 主な咳止め薬としては「メジコン」「アストミン」「フスコデ」「アスベリン」など、その他にも「五虎湯」や「麦門冬湯」などの漢方薬などがあげられますが、ではなぜ咳止め薬が不足しているのでしょうか?

 

 原因としては「咳止めを必要とする患者の増加」「ジェネリック医薬品の供給の不安定」があげられます。

 

 季節性インフルエンザの流行拡大やアデノウイルスによる呼吸器感染症、そして終息していない新型コロナウイルス感染症、喘息・咳喘息などが悪化しやすい季節になると咳止めの処方が増加していきます。

 しかし咳止め以外の薬でも「注文した医薬品が手に入らない」という状況があります。その理由として、製造販売業者からの「限定出荷」「出荷制限」が関係しています。

 

  医薬品の出荷制限が始まったきっかけは、2020年の一部の製薬会社の品質不正が発覚したことです。以降業界全体で厚生労働省からの業務停止命令や改善指導が相次ぎました。それにより、他の製薬会社に薬の生産注文が殺到するようになります。ジェネリック医薬品の場合複数のメーカーが製造・販売を行っていますが、製造能力を超えた注文数が入った場合、すべての医薬品の増産に対応することは難しく、結果多くの薬に対して出荷制限が掛かるようになってしまったのです。

 厚生労働省も『主要な鎮咳薬(咳止め)の供給量については、新型コロナウイルス感染症の流行以前の約85%まで生産量が低下しており、また主要な去痰薬の供給量については、新型コロナウイルス感染症の流行以前と同程度ではあるものの、メーカー在庫が減少しており、安定的に供給されるには一定の期間を要する』と発表しています。

 そのため、『必要な患者に広く行き渡るよう、当面の必要量に見合う量の購入対応や、病院が処方される際には、初期からの長期での処方を控え、医師が必要と判断した患者へ最小日数での処方に努めること、薬局では、処方された鎮咳薬(咳止め)・去痰薬について、自らの店舗だけでは供給が困難な場合であっても、系列店舗や地域における連携により可能な限り調整すること』としております。

 

 状況により薬の在庫や出荷状況も変わりますので、受診して薬が処方される際に気になることがありましたら病院や薬局にお尋ねご相談ください